“「この世には不思議なことなど何もないのだよ、関口くん」”
京極夏彦氏の百鬼夜行シリーズ第1作にして、デビュー作。
確か講談社にいきなりダンボールで原稿用紙1200枚がドカンと送られてきて、その2日後にデビュー決定したとかしないとか。
そんな本作、ジャンル的にはミステリに分類されます。
医者である久遠寺家で起きたある事件。密室の中ひとりの男が忽然と姿を消す。そしてその妻は妊娠20ヶ月を過ぎている。しかし、赤子が生まれる気配は一向にないのであった。
この謎を解く探偵役は古本屋にして、陰陽師の京極堂、本名中禅寺秋彦です。
謎解き部分は、少し賛否が分かれるかもしれませんね。
ちなみにわたしは全然気になりませんでした。それよりも、全てが終わった後の少しもの悲しくも爽やかなラスト、これを是非読んで欲しいです。
とは言ってもこのシリーズで私が一番好きなのは京極堂と関さん(ワトソン役)の会話です。
この本の中でも、
心とは?
心と脳と意識の関係は?
呪いとはなんなのか?
妖怪とは?
などなどの一見すると堅苦しい話題も含めて本当におもしろく会話として料理するんですよね。
京極堂と関さんの会話だけの本がでたら、僕は買いますね。というか読みたい。
暑苦しい夏の一夜に読みたい一冊。
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